・フェルミ漫画大学の望月りんって何者?
・なぜ登録者が100万人以上もいるの?どうやって増やしたの?
このような疑問に答えます。
・望月りんは他のチャンネルで主人公キャラだった
・フェルミ漫画大学のコンセプト
・一番バズったロング動画を分析
フェルミ漫画大学の動画を見て、「見やすい、分かりやすい」と感じた方も多いでしょう。
本を要約チャンネルはたくさんありますが、その中でフェルミ漫画大学が人気になれたのはなぜでしょうか。
その戦略についても記事の後半で書いているので楽しみにしていてください。
それでは、やっていきましょう。
望月りんは他のチャンネルで主人公キャラだった
フェルミ漫画大学は元はフェルミ研究所 Fermi Laboのサブチャンネルでした。
フェルミ研究所に登場する2人の主人公がケンジと望月りんです。
このメインチャンネルは登録者数195万人と大きく伸びましたが、漫画動画の飽和、動画制作への負荷などによって2021年7月に閉鎖されています(チャンネルと動画は残っています)。
主人公以外にも登場人物は何人かいますが、望月りんは3人姉妹の末っ子でありながら博識さも持ち合わせており、本の要約にはピッタリのキャラといえます。
フェルミ漫画大学が生まれた経緯
フェルミ漫画大学は永戸リョウさん(活動名)という方が運営しています。
永戸さんはフェルミ研究所も設立から運営までしていましたが、その前にもう1つチャンネルを立ち上げています。
それは電撃ランキングという、世界の事象をランキング形式で紹介するチャンネルです。
開設から1年経過したとき再生数が減ってしまい、どうしようかと考えた際に漫画動画にたどりつきました。
2018年当時、漫画動画は他のチャンネルで既に投稿されていましたが、内容が薄く、今のようにナレーションは入っていませんでした。
電撃ランキングの動画ではナレーションを入れていたため、漫画動画も同じようにしたら伸びるのではないかと考え、見事に考えは的中したのです。
フェルミ研究所の漫画動画の演出はメディアからも評価され、本当の意味での漫画動画の元祖とも言えます。
実際にその演出をモデリングしたと推測されるチャンネルである「アシタノワダイ」、「ヒューマンバグ大学」は動画の企画を差別化して大きく伸ばしています。
漫画動画を投稿する人が増えて、ありきたりの内容では再生されなくなり、本の要約をする動画へと大きく方向転換していきました。
そうして、現在のフェルミ漫画大学に至ります。
フェルミ漫画大学のコンセプト
フェルミ漫画大学のコンセプトは「漫画で、学ぼう。」です。
本の要約をする動画がメインとなります。
本の要約が人気な理由は、日々忙しい人にとって手っ取り早く本の内容を知ることができ、学べることですよね。
競合チャンネルは、同じく本の要約をするチャンネルです。
競合の動画を見ると、アニメーション動画が人気でした。
アニメーションは動きがあって、面白く学べそうと思いますが、内容を見てみると少し固い雰囲気を感じます。
それに対して
漫画というイラストを使って要約された動画は、勉強という堅苦しい雰囲気よりも、軽い感じでサクっと学べるという印象があります。
どちらが良いというわけではなく、どちらも需要があるので、しっかりと差別化されているという点がポイントになっています。
一番バズったロング動画を分析
まず、YouTubeの動画が伸びる要因を確認しておきましょう。
・サムネ、タイトルのクリック率
・平均視聴時間
・平均視聴維持率
・いいね、コメント、シェアなどのアクション
・同じチャンネルの他の動画を見る
以上の点をふまえて、こちらのチャンネル内で最も再生数が高い(352万回)動画を分析してみましょう
バズったと思われるポイントは以下の3点です
・思わず見てしまうサムネ、タイトル
・冒頭で自分事にさせる
・ストーリー展開
1つずつ見ていきましょう。
思わず見てしまうサムネ、タイトル
フェルミ漫画大学のサムネとタイトルには本の表紙、本のタイトルが含まれています。
表紙やタイトルは本では重要なところで、出版社は本を売るために大きな労力をささげています。
本は基本的に本屋に並べられ、すぐ隣には違う本がずらりと並んでいます。
その中で、自分の本に興味を持ってもらう必要があるわけです。
そうして作られた本の表紙、タイトルを使うことで、YouTubeのおすすめ欄に表示されたとき、思わず注意をひいて動画を見たくなってしまうのです。
特に今回のサムネ、本のタイトルは見たくなる特徴として、
・33歳の手取り22万という多くの人に当てはまる要素
・貯金1億円という大きなメリット
という点が挙げられます。
冒頭で自分事にさせる
動画は望月りん、ケンジの二人のやり取りで進行していきます。
主な役割として望月りんが先生、ケンジは視聴者の代弁者となります。
動画気になってタップした視聴者の心境は、
「確かに手取り22万で一億貯められたらいいけど、本当にできるの?」
という疑いがある状態です。
そこで動画の冒頭でケンジが視聴者の言葉を代弁します。
「仮想通貨とかFXとか、怪しい方法なんじゃないですか?」
これに対して望月りんは、
「平凡なサラリーマンでもできる」と回答します。
これにより視聴者の不安を消して(完全ではないが)、自分にもできるのではないかと思ってもらえます。
YouTubeでは冒頭で強い興味をひいたり、視聴者が“この動画は自分のためにある”と感じてもらうことで動画を最後まで見てもらうことができます。
これは平均視聴維持率が上がることになり、YouTubeが最も評価するポイントとなります。
ストーリー展開
冒頭で視聴者をひきつけたら、すぐに筆者の1億円を貯めるまでのストーリーが始まります。
人間はストーリーが大好きなので、ただやり方を説明するよりも、効果的です。
映画館で2時間もイスに座って、じっとしてスクリーンを見つめられるのはなぜか。それは主人公に自分を照らし合わせて没頭しているからです。
ここまで来ると2つの理由から視聴者は見ることをやめられません。
①ここまで見たのだから、せっかくだし最後まで見よう
②筆者も最初は自分と似た状況だった。続きが気になるから見てみよう
以上の理由から動画を最後までみるきっかけとなり、平均視聴時間も上がり動画の評価が上がります。
評価が上がると多くのユーザーにおすすめされるので、自然と再生数も伸びていきます。
まとめ
・思わず見てしまうサムネ、タイトル
・冒頭で自分事にさせる
・ストーリー展開